ペンギン先生の
「英語がよくわかる話」
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<第26回> |
By
Shuichi Motoki |
時に関して英語は厳格
: 今日は我々日本人と英語圏の人々の時の感覚の違いについて
説明しよう。
: 時の感覚が違うの?
: まるっきり違うわけではないんだけど、規則が割り合い厳格なんだ。
たぶん、ロジカルなんだね。英語のほうが。
例えばね、
I think he will come tomorrow.
この文は今(現在)未来のことを思っているよね。これが過去の
時点に思ったとすると、
I thought he would come the next day.
となるんだ。
Will を would
という「時制を一致させるための過去形」にしなければ
ならないんだ。Can だったら
could, mayだったら might だ。
: この would
や could や might は 過去形なの。
Would you open the door? の would
とはどう違うの?
: これは 丁寧さをあらわして、できるだけ遠まわしに言うときの
would
で過去形とは関係がないんだ。
: 全然別のものなの?
: 全く違う、って考えたほうがいいね、今のところは。本当は共通したもの
があるんだけどね。
: だったら教えてよ。
: これを説明するのは難しい。ええと、ね。
would ,could,,might
は「距離を置く、婉曲的で、実現がわからず、
あくまでも推量や仮定な感じがする。はっきりとした明確な意思が
ない」んだ。
: ええ、むずかしいなあ。
: 僕もうまく言えないよ。だからとりあえず、同じ字でも使い方が違って
いると思ったほうが早いね。それでなんとなく共通するものが見えて
くるよ。
それでね。 話を戻すと、「過去に思った」とすると、tomorrow
という
明日はもうなくなるでしょう。今日の次が明日なんだから。
それで「翌日=the next day
とするんだ。
こんな風に英語は 「時制を一致させる必要がある」んだ。
I think she may join us.
I thought she might join us.
てすることを忘れないでね。
: I
think he studies English every day.
を過去にすると、
I thought he studied English every day.
となるのかな。
: そうだね。
日本語にすると、
「僕は彼が毎日英語を勉強していると思った」になる。
「僕は彼が毎日英語を勉強していたと思った」じゃないよ。
この辺、日本語は「あいまい」なんだ。
言葉というのは意識だからね。言葉が変わっていかないと意識は
変わらないよ。時間に厳格な英語圏の人々はきっと日常生活でも
日本人に比べたら厳格なはずだよ。だって、インドネシアのバリ島
にいくとね、時間感覚は早朝と昼頃と、夕方頃、と夜というざっくばらん
な感覚だからね。時計を持ち出したのも最近のことなんだ。だから、
細かい時間にしばられず、のんびりしているところがあるよね。
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