知り合いの本木周一さんが連載で投稿してくれることになりました。

長年にわたる英語教授法の研究・実践経験をもとにした
「英語が苦手だった人、英語を再度勉強しようと思っている人」への
英語の解説&メッセージです。





ペンギン先生の

「英語がよくわかる話」

<第15回> By Shuichi Motoki



have って何?



: いよいよ have について話そうと思う。英語の大難関と言ってもいい。

: have って 「持っている」とか「食べる」とか「過ごす」とかそんな意味の
     動詞だよね。
       Have a good night.
     とか
       I have a book.
     とかね。

: うん、そうだね。でも、
       I have been to Tokyo.
     とか
       How long have you known him?(どのくらい前から彼のこと
     知ってるの?)
     ってのもあるよね。

: 「現在完了」っていうやつだよね。

: 「持っている」や「食べる」「過ごす」というのは「動詞」に分類されている。
     一方、I have been to Tokyo. の have は 現在完了を作る特別な「助動詞」
     だと言われているんだ。

: 「助動詞」っていうのもよくわからないな。

: そうだよね。助動詞というのは普通、動詞の「味付け」をする役割を
     持ってるんだ。

      I play tennis.   僕は(習慣として)テニスをします。
      I will play tennis tomorrow.   僕は明日テニスをします。
      I may play tennis tonight.   僕は今晩テニスをするかもしれない。
      I can play tennis.     僕はテニスができる。
      I would play tennis.     僕はテニスをするだろうなあ。
      I could play tennis.     僕はテニスができるといいんだがなあ 

    ちょっとずつ「テニスをする」のニュアンスが違うでしょ。
    助動詞は「動詞を助ける」と書くけど、本当は「動詞にスパイスを加えて、
    人間の「意志」や「できるできない」や、「かもしれない」とか「だろうなあ」と
    動詞の持つ主の意味をちょっと変えるんだね。

: なるほど。Have はどうなの?

: have はね、「印象を強く鮮やかにもっている」という意味なんだ。
     これがhaveの意味。
     しかし動詞でも使うし、現在完了という「過去から現在までの印象や
     時間継続の強い印象をもっているかどうか」の具合でも使うんだ。

: ????? むずかしいなあ。

: have にはそういう「ニュアンス」があるんだ。
     I have been to Tokyo. は普通、「僕は東京に行ったことがある」と
     訳すけれど本当の意味を細かく言うと「僕は東京に行ったという経験が
     あって、そのときの印象がまだ過ぎ去った過去のことではなく、
     今でもその時のことが蘇る程度にいきいきとしている。そういう経験を
     もっている」 と言っているんだ。

: じゃあ、
      Have you known him for three years?
     というのは?

: 「3年前から彼のことを知っているの?」というのが普通の訳。
     意味するところは「3年前から彼のことをずっと知っている」というよりも
     「君らは3年前からつきあっていて、その関係を今ももっているの?」という
     意味なんだ。
     だからね、 have のもともとの意味は「(どこであろうと)もっている」という
     意味なんだね。 これが基本だ。
     そこから have が多様に使われるんだね。

     現在完了形というのは have + 過去分詞 で表すけれど、あんまり意味は
     ないね。過去から現在までの時間の幅中での「もっている印象」を言って
     いるんだからね。こじつけて言えばね、
      I have been studying English for three hours.
     「僕は3時間もずっと英語の勉強をしているという状態を持っているんだ」と
     強く今の心情を言いたいときに使うんだね。
  
     Have をそう理解したうえで、
     動詞の have と 現在完了を作る have を分けて考えるほうがいいね。
     なんで どうして 現在完了の時に have を使うんだろう、と不思議に思う
     はずだからね。

: むずかしいんなあ。昔習ったように、とりあえず、   
     動詞のhave それに 現在完了形と言われる have + 過去分詞(行ったこと
     があるとか、前から知っているとか、ちょうど今したところだ(やったぞうー 
     という印象をもっている)に使う。同じhave だから当然、含む意味は同じだね。
     同じじゃなかったら同じものなんか使わないよね。

: そうなんだ。理由があるんだ。「持っている」「食べる」「過ごす」は日常生活でも
     よく使う言葉だからね。「なになにの状態に持っている」が究極的なhave の
     覚え方だよね。「印象として鮮やかにね」
     It は「今言ったそれは」とおぼえなさい、と言ったでしょ。そう覚えておくと 
     it の本質がわかるから。 
     Have は「鮮やかに印象、記憶、心に、そして実際にどこかに持っている」と
     言えばいいかな。ここまで説明してやっとだね。それほど難しいよ。
 

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