ペンギン先生の
「英語がよくわかる話」
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<第14回> |
By
Shuichi Motoki |
「動詞」を理解する
: 今日は「動詞」について説明しよう。「動詞」と言えば、わかるような気になる
のが落とし穴なんだ。実は動詞もきちんと整理しておくと判断の基準になる
よね。英語は論理的なんだよ。
: そんなに論理的なの?論理的というのは理屈にあってるということ?
: 理屈にあってる? 理屈に合う、というよりは厳格なんだね。あいまいを
許さないところがあるんだ。
: どういうこと?
: 動詞の話に戻るね。動詞って「動く言葉」ということだよね。
すぐに思い浮かぶのは「走る」、run
だよね。まさに動きを表しているよね。
動詞にはね、このように、身体が動く、例えば、走る、歩く、泳ぐ、殴る、
蹴る、といろいろとあるんだ。
身体が動くだけでなく、心が動くのも動詞なんだよ。
ほしい want, 好き(です) like,
愛する love。
: そうかあ、言われてみればそうだよね。動くことに変わりはない。
: 大別すれば、身体が動く動詞と心が動く動詞という風に便宜上分ける
けれど、もっと微妙に言えば、身体が動く動詞でも心が動く動詞でも、
「動きそのもの」と「いろいろな動きをまとめて表すもの」に分けられるんだ。
have
は「もつ」でもあるし「持っている」でもある。
live
は「住む」でもあるし、「住んでいる」でもある。
心を表すほうでは、want
「欲する」でもあるし「ほしい」でもある。
like
は「好む」でもあるし「好きである」でもある。
: なんだかややこしくなってきたね。
動詞でも「動きを表すもの」と「状態」というか「様子を表しているもの」が
あるっていうこと?
なんというか「動く動詞」と「止まっている動詞」があるって、いうこと?
:
う〜ん。違う。
ここが大キーポイントなんだ。これがはっきりわかっていないと 現在進行形
や現在完了の継続、さらには現在完了進行形などというのが理解しにくい
はずなんだ。いいかい。
動く動詞は run running、 walk
walking というふうに ing をつけて
「今なになにしている」という様子をあらわすことができる。
でも want や like には ing
は基本的にはつかない。
もともと「欲する」は「ほしい気持ちでいる」も含んでいるんだからね。
like
もそうだ。「好む」も「好きである」も一緒だからね。こういう語には
ing
はつかない。もっと先のことを言えば、動く動詞(ing
がつく動詞)は
現在完了進行形に発展するんだ。そして want
などは
I have wanted this camera for three years.
というように「現在完了進行形」
ではなく「現在完了の継続」と分類されるからね。
: ???????
: ごめん、ごめん。現在完了進行形や現在完了継続なんて言葉は知らなくて
いいんだよ。
: 難しいよ。
動詞には @身体が動く動詞 A心の動きや様子を表す動詞 と大別
されて、動いていないのに動詞というものがあるっていうわけ?
: そのとおりだ。「住んでいる」というのは動いていないよね。でもそこで朝
起きて、飯を食って、働いて、という動作が凝集された言葉だよね。
そういう風にまず理解しておこう。
これは英語の学習というよりも、言葉の理解の問題だ。
英語はその点今後ますます厳格になってくるんだ。
: なるほどなあ。今日は難しかったね。この頃難しいよ。
: いや、中学生でもわかるんだよ。きちんと説明すればね。
簡単だ。動詞には「身体、心の動き」を表し、その中には「動くものと動きを
まとめたものがある」ということなんだ。
こういう理解を無視しては結局わからなくなるんだ。
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