ペンギン先生の
「英語がよくわかる話」
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<第9回> |
By
Shuichi Motoki |
第9回 英語は反復を嫌う -2-
that とit とone
って?
: it
はわかったよ。that
との違いを簡単に言うと、
that
は始めに物をさしていうことばで、相手が言ったものを指して
その代わりに「今言ったそれは」という意味ではないんだね。
つまりthatは言った単語を受ける言葉じゃないんだね。
: そうだね。でも今のところは、と言っておこう。
: ペンギン先生、今度はone
というのを説明して。
: one
ね。
これも反復を嫌う英語の性だね。
例えばね、
t:Look at a pencil.
と先生が言うよね。そうしたら言われたほうは
「とにかくひとつのえんぴつ」を見ればいいんだ。そうだよね。ところが
言われたほうは
「長いの?」とか「短いの?」と、どのえんぴつを見
ろっていってんだろうと思って、
S: This one?
T: No, that green one.
S: This green one?
T: Yes.. That's it.
というような会話になる場合があるんだ。
このone というのは pencil
のこと。英語はもう同じ pencil
を使いたく
ないんだ。
one
には「1」という意味もあるからね、混乱するよね。 one
の代わりに
it
を使ったらだめだよ。だって、「あの緑の今君が言ったそれ?」「この緑の
今先生が言ったそれ?」
と話しが展開しているとチンプンカンプンだ。
とりあえずね、 it
は「今言ったそれは」 the
は「今言ったその」だったよね。
だから the book
というのは一語で it とも言えるし、a book
は one とも
言える。2回目からはね。 that
は一回きりで物を最初に指すだけ。
わかるかなあ。ちょっと難しいかな。
: う〜ん、難しい。とにかく英語は同じ言葉の反復はなるべくしないんだ。
: そうなんだよ。だから相手が言ったものをさして it
を使う。
身体を動かしてやればすぐにわかるよ。
Look at a desk.
: えっ、どのデスク?
このデスク?
: 英語で言ってごらん。
: Which
one? This one?
: No,
that one、that dirty one.
It is by the door.
とこうなる。相手が言ったそのものを指す(受ける)のが it.、one
は どのデスク
でもよいからひとつのデスクを選んでいるだけだね。
それでも反復を嫌っているでしょ。不思議なもので代名詞の反復は歓迎している
んだ。
その理由を考えるだけでもおもしろいよ。日本語は反復大好きだからね。
なんでここまで違うんだろう、と。
でも文を聞くときは一切気にしたらいけないよ。
: it
は何を指しているのかその語を書きなさい、というような問題はよくあったよね。
: そうだね文脈をたどるときというのは
it
は何を指していっているのかわからないと
わからなくなるよね。
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