ペンギン先生の
「英語がよくわかる話」
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<第3回> |
By
Shuichi Motoki |
アルファベットの秘密 2
:アルファベットの文字を日本語の「あいうえお、かきくけこ・・・」のように文
字=音と憶えることが日本人にとってはとっても大事なことなんだ。もう一
度その理由を言っておくよ。
だれでも自分たちが使っている言葉のルールを比較の基準にして外国語
を学ぼうとするよね。日本人の場合、「五十音」をまず最初に学校でも習う
から、アルファベットも「五十音」と同じように思ってしまう。そこから英語の
勉強に入ってしまうんだね。
:うんうん。そうだった。「ェア ブ ク・ス ドゥ ・・・・」と憶えていったら、楽だ
よね。でてきた文字通りに読めばいいわけでしょ。
:そうだよね。前回でわかったよね。練習してみるかい。 pin
これは?
:プ・イ・ヌ だから 早く言えば 「ピン」だよね。
:box これは?
:ブ・オ・クス ボックス だよね。
:そうそう。それでいいんだよ。 「ェア・ブ・クス・・・・」でおぼえると2文字や
3文字でできている単語がほとんど辞書なくても読めるようになるんだ。
in it pan tub pet pot not fin van cat kid
wax yen dot map top rod sun bat
:
そうだよね。簡単だ。
:そこでだ、じゃあ、どうしてアルファベットを「エイ・ビー・シー・・・」と習うか
だね。これが疑問だよね。どうして 一般に「ABC」を「エイ・ビー・シー」と
習うのか。それはね、例えば「pat
ってどう書くの」とたずねられたら、
「プ・ェア・トゥ」と言っていたら、「トゥ」なんて耳元でないと聞こえないでしょ。
遠くの人に 「プ ェア トゥ」と言っても 「プ・ェア」は聞こえてもまず「トゥ」
は聞こえないんだ。ここは初めての人には微妙なんだけど、「トゥ」という
音はこんな風に日本語で書けば「トゥ」と書くけれども本当は「t」なんだ。
発音してみるね。「t」。どう?これなら 10m先の人に聞こえないでしょう。
しかし pat を 「ピー・エイ・ティー」と言えば遠くにいる人にでも伝わるよね。
つまり、「エイ・ビー・シー」というのは相手にどうやって書くのか、言っている
言葉はどんな文字でできているのか(これを「つづり」と言うんだけどね)、
それをはっきり伝えるためにあるんだ。つまり文字の名前だね。Aは音が
「ェア」 名前は「エイ」なんだ。pat
は ピー とエイ とティー という名前の
文字からできているんだ。
そうかあ。漢字の「ニンベン」とか「サンズイヘン」みたいなものだね。
:そうだね。漢字を教えるときに、「ニンベン」とか「ウカンムリ」とか言って教
えるとよくわかるよね。同じだよ。だから、英語を覚える場合、どうしても文字
の音、文字の名前を別々に覚える必要があるんだ。これを軽くみて、無視し
ていくと、とんでもない地獄にはまってしまうんだ。
アメリカでも15年程前は文字が読めない人も結構いたんだ。漢字が読め
ない人と同じだよ。今では学校で、文字=音をきちんと習い、文字=名前
もきちんと習うんだ。そこから英語の勉強のスタートなんだよ。
:なるほど。よくわかるよ。僕は知らなかった。そう言われればそうだ。なんとな
くぼんやりわかっているんだけどね。今になっては。
:「今になっては」というのは遅いんだよ。この「アルファベットの秘密」は最初
にしっかりと知っておく必要があるんだ。「単語の読み方」がわからないと
面倒でしょ?それをやっておかないと This
is a book. は読めないでしょ。
どうして this
を「ディス」と読むのかわからないでしょ?
:そうだ。僕は教科書の最初のページから読めなかった。先生のあとについて
読んで、なんとなく「ディス イズ ア ブック」と読んでいて、そう読むのかと、
ふりがなをふっていたんだ。
:さあ、ここまでわかったら、納得して次のステップへ進むことができるよ。
その前にね。ちょっと確認しておきたいことがあるんだ。「単語」という言葉
なんだけど、これをはっきりさせておこう。よく使うからね。「単語とは何か」
これをアザラシ君、きちんと説明できるように、今度までの宿題だよ。
いいかい。
:単語? なんとなくわかっているけど。う〜ん、説明しろと言われると・・・。
「机」って単語でしょう?
:そうだね。ようし次回は 日本語のもつ単語のイメージと英語の単語のイメージ
を比べてみよう。そして単語からなり立つ文を考えてみよう。
時間があったらいよいよ単語の読み方のルールを紹介するよ。
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