ペンギン先生の
「英語がよくわかる話」
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<第2回> |
By
Shuichi Motoki |
アルファベットの秘密
:いよいよ始まりだね。
:そうですね。
:ところで、アザラシくん、君は英語を勉強した時、何を一番最初に習った?
おぼえているかい?
:バット
とか ボール
とかかな。みんな使ってるし、それは外国から入ってきた
ことばで、英語だってこともなんとなく知っていたような気がする。
:なるほどね。外国の言葉はいっぱい入ってきているからね。
:学校では
ABC・・・(エイ・ビー・シー・・・)から習った。
:君の学校はABC(エイ・ビー・シー)からだったんだね。
そうかあ。そこがまず最初の問題なんだ。
ABC( エイ・ビー・シー)
から習うとわけがわからなくなってしまうんだ。
:えっ?
僕もわけがわからなくなったのかな。当たり前だと思っていたけど。
:そうだよね。教科書にもそう書いてあるものね。
ところがだよ、いいかい?
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTU
VWXYZ
とおぼえるよね。やっとおぼえた。大文字も小文字もおぼえた。
「あいうえお、かきくけこ・・・・・」をおぼえたのと同じ気分になるよね。
:うん、そういう気分になった。
:ところが、Hello.
と教科書に出てきて、先生はこれを「エイチ・イー・エル・エル
・オウ」って読んだかい。
:「ハロウ」って読むんだ、と教えてもらった。
:
どうして「ハロウ」って読むって教えられたんだい?
:
えっ? これは「ハロウ
って読むんだから何度もこれをノートに書いて口で
ハロウ、ハロウ、と言っておぼえなさい。先輩達も書いて書いて書きまくって
手でおぼえろ」って。それで単語帳とか買って、ノートにいっぱい書いて練習
して。
:
でしょ。まず君はここでつまずいたんだ。
あのね、英語のABC(エイ・ビー・シー)というのは「あいうえお・・」
とはちょっと違うんだ。「あ」という文字は「あ」という名前と「あ」という音が
一致しているよね。「あか」を「しろ」とは絶対読まないよね。
英語のアルファベットは音がいろいろあるんだ。そこがややこしいところな
んだけど整理をしていけばね、読み方のルールがあることがわかるんだ。
日本語 あか あか としか読まない。
英語 book
ブック と読む ビー・オウ・オウ・ケイとは読まない
日本人は文字=音
になっている世界になれているから、君が、ABCDを
日本語の五十音のように文字=音
でおぼえていたら、落とし穴に落ちなく
てもよかったと思うよ。
:ええ、どういうこと?五十音のようにおぼえるって?
エイ・ビー・シー ではなく
て?
:そうなんだ。いくらABCD(エイ・ビー・シー・ディー)をおぼえても当面役に
たたないんだ。おぼえる必要はあるんだけどね。
:じゃあ、ABCDは初め何ておぼえるの?
:それはね、一番最初はね、とりあえずなんだけど、Aは
「ェア」 Bは「ブ」
Cは「ク・ス」という風に文字の音をおぼえるんだ。
E=エ F=フ G=グ・ジ H=ハ
I=イ J=ジュ K=ク L=ル M=ム
N=ヌ
O =ア P=プ Q=クゥ
R=ゥル S=ス・ズ T=トゥ U=ア・ウ
V=ヴ
W=ウ X=クス Y=イ・ユ
Z=ズ っておぼえるんだ。
文字=音 でおぼえるんだよ。
:フーン。あ、そうか、なるほど。
ェア ブ ク・ス ・・・・かあ。
う〜ん、そうか、例えば PAT
だったら プ・ ェア・ トゥ
と言って、それを繋ぐ
と「パット」になるわけだ。
:そうなんだ。初めにこんな風に習っていたら、楽だったはずだよ。
英語の単語には読み方のルールがあるんだ。そのルールをおぼえたら
だいたいの単語は辞書がなくても読めるようになるもんだよ。
アメリカでも子供たちは、どこの学校も今はそんな風に習うんだよ。
日本でも15年程まえに紹介されて、結構多くの学校が採用してるんじゃ
ないかな。アザラシくんの学校は違ってたんだね。
:フーン、そうかあ。ちっとも知らなかったな。それでいちいち単語の読み方が
わかないんで、アキアキしちゃったんだね。ほんと、アキアキ、ウンザリした
もの。
:理論的にわかり、納得しながら勉強しないと、「わからなくなる」でしょ。
人間って「わからなくなると不安になったり、緊張したりするんだ。
緊張すると息が詰まって、逃げ出したくなるもんなんだよ。
ようし、今度は単語の読み方のルールを簡単に教えながら、なぜ
ABCをエイ・ビー・シーと読むのか、の説明もしなければならないね。
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