Key Sentences (こころに残る世界のことば)   -Page 47-

こころに残る名文・名文句をちょっとずつ紹介します。
KEY SENTENCE のところを読んでみましょう。

 

(KEY SENTENCE)


What are you?

あなたは何なの?



LUCY:   Were you hiding from me?

TUMNUS: Huh, um, n..n.. no,
       I..I... I didn't want to scare you,

LUCY:   If you don't mind my asking...
      what are you?

TUMNUS: Why, I'm a faun!
      And you must be some beardless dwarf?

LUCY:   I'm not a dwarf, I'm a girl!
      And actually I'm tallest in my class.

TUMNUS: But you're saying, you're a daughter
      of Eve?

LUCY:   Well, my mum's name is Helen...

TUMNUS: Yes, but you are, in fact, human.

LUCY:   Of course.


THE CHRONICLES OF NARNIA
THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE

Screenplay by Ann Peacock
Based on the novel by C.S. Lewis




<訳>

ルーシー: かくれていたの?

タムナスさん: ウーン、アー、いや、その、ただ、びっくりさせたくなかっただけです。

ルーシー: きいてもいいかしら・・・あなたは何なの?

タムナスさん: フォーンです。あなたは?ヒゲのないドワーフですか?

ルーシー: ドワーフじゃないわ。女の子よ。私はクラスで一番背が高いの。

タムナスさん: じゃ イブの娘さん?

ルーシー: ママの名前はヘレンよ。

タムナスさん: ではあなたは本当に─人間?

ルーシー: もちろんよ。

(「ナルニア国物語・ライオンと魔女」
脚本アン・ピーコック、原作 C.S. ルイス)



洋服ダンスの向こうは雪が降り積もった森の中。4人兄妹の末っ子ルーシーはそこで見たこともない姿をした者に出会い、言葉を交わしてしまいます。(顔はたしかに人のようだけど、腰から下はまるで動物だわ・・・でもちゃんと話ができる・・・いったいこれはなあに?・・・)ためらいがちに、でもそうとしか訊きようがなく、彼女はその疑問を言葉にしてしまいます、「あなたは何なの?」と。ナルニア国に迷い込んだルーシーと半人半獣のタムナスが初めて出会った場面です。ルーシーとタムナスさんのやりとりにはおかしさがあります。でも、これから繰り広げられていくナルニアの不思議な世界は、実はこの言葉から始まっていったとも言えるでしょう。この「ナルニア国物語・第一章」の映画が公開されたのはちょうど1年前の今頃でした。